CONSEPT
　 私たちの祖先の猿は、
食料不足の森の中で毒のない新芽の葉を見分けるために初めて色彩を手にした。
やがて二本足で歩きアフリカの大地から世界中に散らばってそれぞれの土地で文明を起こした。
道具を作り出し、意思を伝えるために言葉を発し、組織的な狩りをする。
農耕が始まると、家を建て、財産を蓄え、領土争いが始まる。
工業社会から情報社会と複雑な構造を人類はさらに作り上げる。
クマが人間になりたいと言い出すこの寓話は、
「私たちはどこから来て」「どこに行くのか？」「人間とはなにか？」 を問いかけている。

　欲望のままに自然を破壊し、同類をも無差別に殺戮するこの生き物人間。
この生き物が唯一救われるとしたら、
互いの苦しみや悲しみに共感し、支え合うこと気持ちがあること。
それが人間の人間たる本質であるかもしれない。

私たち日本人は今回の震災によって、そのことの重要性に気付かされた。
そして世界中の人々も被災者の懸命に支え合う姿勢を見て心が動いた。
日本はこれから、世界中の心の支援を受けながら復興していくことになる。