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ストーリー構想
 
 

「ちきり伊勢屋」

あらすじ

易者の白井左近は易が上手く、
知人の旗本中川右馬之丞の災難を予言して一命を助けたことから、
診てもらいに多くの人が来て大繁盛である。

八月の暮れ、麹町の質屋ちきり伊勢屋の若旦那傳次郎が
自身の縁談を見てもらいに来るが、
左近は傳次郎に死相が現れているのを見とがめ、
来年の二月十五日の正九刻に死ぬ。

傳次郎の亡父のむごい商いの祟りが自身に
ふりかかったものでどうすることもできない。
残された人生、自棄にならず善行を積んで来世に
望みをつなぐことしかないと告げる。

絶望した傳次郎は店の者に事情を話し、
次の日から江戸を歩きまわり貧しい者を助ける。
赤坂の喰違坂で首をくくろうとする哀れな母親と娘に百両与えるなど、
目についた者や聞きつけた者に惜しげもなく金子を与えるが、
いかんせん莫大な資産だけになかなか減らない。

ではいっそのこと茶屋遊びをしようと吉原、柳橋を遊び倒し、
ようよう財産が尽き果て、
店の者に手当を渡して暇をやり身軽となるころ、
左近が予言した自分の命日が近づく。 
もう命もあまりない。

最期は派手にしてやろうと、傳次郎は、
芸者や幇間を呼んで酒盛りをし、近所に自身の葬礼を知らせるうち、
とうとう、二月十五日がやってきた。
これから金にあかした葬儀が始まる。
傳次郎は立派な死に装束で棺桶に入るがどうしたことか死ねない。
菩提寺で大和尚にねんごろな読経をあげてもらい、
正九刻に墓に埋めようとしてもまだ生きている。
「おい。あたしはまだ生きているよ。」「もう引導を渡しちゃんたんですよ。」
「そんなのいらないよ。」「こまった仏様だね。」
「葬式の強飯もってこいよ。腹が減ったよ。」「もうありませんよ。」
「じゃあ、鰻かなにかあつらえておくれ。」「冗談いっちゃいけねえ。」
「おいおい。便所行きたくなってきた。出しておくれ。」
これでは葬式どころではない。

結局生きてしまい全財産を失った傳次郎は、
友人宅を泊まり歩くがいつまでもそんな暮らしもできず、
とうとう宿無しとなってしまう。九月になって、
傳次郎は高輪の大木戸で白井左近に出くわし、
お前の占いが外れたからこんな目に合ったと抗議すると、
左近はもう一度傳次郎の顔を観察し、
「あなたが首くくりの母娘を助けたことで
父親の悪行の呪いが解けたのだ。

八十まで長生きする。」「冗談言っちゃいけませんやね。
金もないのに八十まで生きろってんですか。」
「いや、相済まない。だが、今お前の顔を見るとな。
品川のほうに幸福があると出た。
まずはそこへ行くことだ。
わたしも人の死相を見たばかりに奉行所に呼ばれて江戸払いとなり、
大木戸で細々と暮らしているありさまでな。
お詫びと云っては何だけど、ここに二分の金がある。
雨降り風間というくらいだから持って行きなさい。」と
云われた傳次郎は折角なので半分の
一分金を持って品川にやってくる。

そこで遊び仲間の伊之助に出会う。
伊之助も道楽が過ぎて勘当され品川で
日雇いの仕事をしているのであった。
二人は駕籠屋になり、どうにかこうにか生計を立てるようになる。
そんなある晩のこと、
品川の遊郭帰りと見える一人の幇間を駕籠に乗せるが、
これが以前贔屓してやった一八であった。
「おい、一八!」「何だ。・・・駕籠屋なぞに一八呼ばわりされる筋合いはねえや。」
「フン。俺の顔を見忘れたかい。
・・・ちきり伊勢屋だ。」「あっ!・・・若旦那!・・・どうも」とどちらが客かわからない。
傳次郎は「お前の羽織も帯も おれが呉れてやったんだな。」「へい。
そのせつはどうも。結構なものを頂戴しまして、ありがとう存じます。」
「じゃあ。俺に返してくれ。
・・お、そうだ。
ついでと云っちゃあ何だけど、一両貸してくれねえか。」
「へい。かしこまりました・・・とほほ、こんなところで追剥に合うとは。」

この着物と帯を酒に変えようと、
ある質屋に持っていくと、女主人が美しい娘を連れて現れ、
「もし、伊勢屋の傳次郎様ではいらっしゃいませんか。」
「へい。どなたでいらっしゃいますか。」
「私どもは以前赤坂で助けてもらったものでございます。」
「ああ・・・そう云えば」
「おかげで命も助かり。
今、こうしていれるのもみなあなたのおかげでございます。
改めてお礼を申し上げます。」
「何、わたくしは白井左近の言うままにして
全身代失ってこんな有様でございます。」
「いいえ。あなたも長生きをしたらいいことがございます。
・・・つきましてはうちの娘、ふつつかな者でございますが、
嫁にもらってもらえますまいか。
もういちどちきり伊勢屋のノレンを挙げてもらえればこんなうれしい事はございません。」
傳次郎は左近の予言はこれだと思い
「こんな零落した私をおもらいいただくとは。
ありがとうございます。

お言葉に従います。」 こうして二人は伊勢屋の店を再興し、
ともに八十の長寿を保ち幸せになったという。

 
 



 
 

「現代に置き換え」

<登場人物>
伊勢屋:Radio JAPANメディア製作会社(ラジオ局テレビ局)
易者:医者
若旦那:プロデューサー (RJP電子郎)
亡き父:原子力発電会社 (癌で死ぬ)
貧しいもの:被災者、芸術家、発明家、経済
母娘:ミュージシャン

<ストーリーの流れ>
あくどい商売:原子力推進番組制作
初恋と失恋 金持ちに奪われる
DJからTV制作者にのし上がる 

大地震と原発事故がおこる すべてが停電しラジオだけが聞こえる
事実隠蔽の協力「安全神話番組」 巨額の金が流れる 進まない復興

予言:悪行によって死相が見える
12月31日12時59分59秒に死ぬ
やぶ医者:癌の宣告 余命1年 来世に行けない:恋人に会えない

善行:被災者支援、ロボットの開発、新エネルギー開発援助
   癌の治療薬の開発援助:人体実験の協力
派手な葬式:死のTV中継 カウントダウン

予言:善行によって運命が変わった。
ヤブ医者:新薬が効いて寿命が延びた
   恋人とその娘との再会 癌の新薬で命を救う

放射能漏れが拡大 人型ロボットを操作して修復
鉛の扉が閉まり遠隔操作の電波が通じなくなる。
電子郎は防護服を着て原子炉の中に入る。 
大量の放射能を浴びて本当に死ぬ そのまま石棺 防護服を着た葬式
石棺から抜け出す 天国のような草原 娘との再会 手を触れて消える

数年後「ROBOTOWN」
アンドロイドの町
少子高齢化社会
自動車からロボット産業を軸にした日本は再生している
ミュージシャンを目指す娘 DJを目指す若者が出会う
年老いた母は若者の顔を見て驚く



 
                                       
 
 
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